断線箇所を探します。断線は、大概、ケーブルとマウスの継ぎ目の近くか、ケーブルとUSBコネクタの継ぎ目の近くで起こります。マウス側かコネクタ側かを見分けるには、コネクタをPCに接続した状態でケーブルのあちこちを触ってみます。接続が切れやすい側が断線している可能性が高いです。どの部分が断線しているかは、ケーブルをクネクネ曲げてみて、曲がり具合が他と比べて急になっている部分が断線している可能性が高いです。よく分からない場合には、念力を使うか、あてずっぽに予想します。この段階では勘や、あてずっぽに頼ることが多いと思います。
ケーブルの断線していると思しき箇所の被覆をカッターナイフ等で切り開きます。マウスケーブルは、何本かの被覆線をさらに大きな被覆で覆っていたり、極細のホルマル線のようなものをより線にしたようなものの何セットかを1つの大きな被覆で覆っているような構造になっていたりします。何れにせよ、一番外側の被覆の中にある電線を傷つけないように注意します。USBコネクタの被覆が邪魔な時には、それも切り開いて取り外します。
一番外側の被覆の中から出てきた電線の断線箇所を探します。出てきた電線が被覆線だった場合には、その電線をクネクネ曲げてみて、曲がり具合が他と比べて急になっている部分を探します。この段階では、この方法で簡単に見つけられる場合が多いと思います。出てきた電線がより線だった場合には、単に、見れば断線しているのが分かります。
断線箇所を繋ぎます。あけび猫の場合、ハンダで繋ぎます。極細のホルマル線がより線になってるようなのの場合には、そのより線にフラックスをしみ込ませて、ハンダをのせたコテ先を当てて、糸ハンダを注しつつ強引に加熱すれば付きます。その場合、130ワットに切替られるタイプのハンダごてがおすすめです。複数の線が断線している場合には、互いの補修箇所がショートしないように、細い熱収縮チューブで絶縁するとよいでしょう。断線箇所を繋ぐ時、新たな電線を挿入するわけでなく、単に切れたのを繋ぐことになるので、繋いだ線は他の線と比べて短くなることになりますが、他の線をわざと断線させて長さを合わせるのは面倒なので、気にせず次に進みます。熱収縮チューブはRSコンポーネンツで購入できます。
切り開かれて失った一番外側の被覆の代わりに熱収縮チューブを被せます。あけび猫はφ8ミリのものを使いました。これは少し広げるとUSBコネクタを通すことが出来ます。広げるには、ラジオペンチを閉じた状態で思いっきりチューブの中に挿し込み、その状態でラジオペンチを強引に広げるとよいです。USBコネクタを通す時にはシリコーンスプレーをかけたりして滑りをよくすると通しやすくなります。
熱収縮チューブをドライヤーで過熱し、収縮させ、収縮が足らずにすこし開いてしまった部分をインシュロックで縛ります。インシュロックで縛るのは、補修されたケーブルが引っ張られた場合に補修箇所に力がかかって再び切れるのを防ぐ意味もあるので、ある程度しっかり縛ります。
以上は、USBコネクタに近い方が断線していた場合の例ですが、マウスに近い方が断線していた場合には、マウスを分解し、マウスからマウスケーブルを外して作業をすると、それなりに細い熱収縮チューブで間に合うようになります。(下の写真では、ケーブルがマウス内部でコネクタで接続されていたので、そのコネクタを通すため、φ6ミリの熱収縮チューブを使いました。)