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10年ぶりに部屋に入るとコウモリや猫の巣窟だった |
GeneralItems that do not fit in other categories 本態性高血圧症の薬物治療(その2)
2年ほど前の記事「本態性高血圧症の薬物治療」では、色々な薬を試したのですが抑うつと赤血球減少と薬の種類が多いという問題がありました。 そこで、色々試してみた結果、赤血球減少は相変わらず原因不明なのですが、抑うつは若干軽減されて、薬の種類もシンプルになりました。
以上です。体重70kg程度の成人が前提です。 *注意* ドキサゾシン錠は、1日1mg以下の用量から始め、起立性低血圧が発生しないことを確認しながら日にちをかけて漸増する。その間、危険な作業に従事しないこと。起立性低血圧は薬を服用してから6時間後辺りで発生しやすいです。 備考ドキサゾシンの服用方法は、食事とは関係なく、なるべく12時間間隔で服用するようにします。リシノプリルの服用方法は、食事とは関係なく、なるべく24時間間隔で服用するようにします。しかし、本来は、どちらも1日1回で済む薬なので、あまり厳密でなくてもよいです。1回飲み忘れた場合には、2回分まとめて飲んでも飛ばしてどちらでもよいと思います。 ドキサゾシンで起立性低血圧が発生した時には、横になるとよいですが、どうしても、回復するまでに自分で動く必要がある時には、頭が心臓よりも低い位置になるように、頭を垂らすとよいです。 ドキサゾシンの用量と効果ドキサゾシンは、あけび猫が試したところでは、なるべく高用量使うのがよいみたいです。動揺性高血圧の場合、褐色細胞腫でなくても、1日16mgとか20mg服用するのがよさそうですが、そうすると薬代が高くなってしまうので、1日分8mgをあえて2回に分けて飲む方法がコストパフォーマンスがよさそうです。薬代が気にならない場合には、副作用に悩まされない程度に沢山飲みましょう。 前回の記事では、血圧の動揺を抑制するのにビソプロロールを使っていて、主に寒冷昇圧を抑制する目的でドキサゾシンを使っていましたが、その後、色々試した結果、ドキサゾシンを1日16mgまで増量すればリシノプリルとの併用で寒冷昇圧のみならず、血圧の動揺全般にも十分効果があることに気が付き、その後、さらに吟味した結果前述のコストパフォーマンス云々のようなことになりました。また、ビソプロロールを抜いた状態でドキサゾシンを増量するとその分動悸に悩まされるかなと思っていたのですが、思いのほかそのようなことはありませんでした。 リシノプリルの用量リシノプリルは1日10~20mg服用するとよいです。5mgだとちょっと効果が十分ではなくなると思います。10mgを超えると降圧効果としては頭打ちになるようです。リシノプリルは効果が持続するので、1日1回で十分だと思います。 副作用抑うつ抑うつは、交感神経抑制薬が関係していそうです。交感神経抑制薬には、α1遮断薬(ドキサゾシン)、β1遮断薬(ビソプロロール)、中枢性交感神経抑制薬(カタプレス)等があります。前回の記事ではこれら全ての薬を使っていましたが、その後、あけび猫が試した結果、ドキサゾシンの用量を増やせばその他の薬は不要な感じでした。いづれの方法にせよ交感神経を抑制する限り多少なりとも元気がなくなってしまうのですが、その中でもα1遮断薬(ドキサゾシン)が最も抑うつの副作用が少ないようでした。 赤血球減少赤血球減少の原因は未だに不明で調査中です。もしかすると、BUNとかクレアチニンが正常でも腎性貧血のようなことになっているのではなかろうかとも思っています。 動悸ドキサゾシンを服用すると血液の流れがよくなって動悸がするかもしれませんが、この動悸を抑制するには、前述のような抑うつの副作用の問題があってβ遮断薬を使うよりはRAS抑制薬(リシノプリル)を使うのがよいようです。(既にRAS抑制薬を服用していてそれにドキサゾシンを追加する場合には、結果的にそれに伴って何もしなくてよいことになります。) ドキサゾシンを服用すると心臓の駆出率が増加するらしいのですが、アンジオテンシンIIには心臓の収縮力を高める効果があるらしいので、RAS抑制薬でアンジオテンシンIIを抑制すればその分心臓の収縮力が弱まって動悸が改善されるのかもしれません。 それでも、若干動悸が気になったり、手足の末梢にいかにも血液が流れていますよ感があったりするかもしれませんが、これらの薬を半年とか一年とか長期間服用いていると、いつのまにかあまり気にならなくなってくると思います。これは、末梢の組織に血液がよく行き届くようになると、それらの組織の酸欠状態が解除されて、それらの組織による求心性神経を介した心臓の交感神経の賦活も解除されてくるということかもしれません。 他の降圧薬ラベタロールラベタロールはαβ遮断薬ですが、あけび猫が試したところでは、動揺性高血圧には、ラベタロールよりもドキサゾシンの方がよく効くようで、ラベタロールを飲んだ状態でさらにドキサゾシンを服用するとより血圧が安定する感じで、逆に、ドキサゾシン多量とRAS抑制薬を服用している場合にはラベタロールは不要な感じでした。 アテノロール降圧目的なら、ビソプロロールもアテノロールも似たりよったりの感じですが、それぞれで、睡眠中の夢の状態が変わるようです。 ビソプロロールあけび猫がいくつか交感神経抑制薬を試したところ、カタプレス(中枢性交感神経抑制薬)は、服用すると眠たくなって寝ている間夢を見なくなるのですが、ビソプロロール(β1遮断薬)は、服用すると眠たくはならないのですが、眠っている間夢を見なくなることに気が付きました。交感神経抑制薬であっても、ドキサゾシン(α1遮断薬)、ラベタロール(αβ遮断薬)、アテノロール(β1遮断薬)は、睡眠中に夢を見なくなる効果はありませんでした。ビソプロロール(1日10mg以上とか多めに長期間服用すると効果を実感しやすいと思います。)は、日中眠くなるのは困るけれど寝ている間に夢を見たくない場合には役に立つかもしれません。(そのかわり、日中、眠くはならないけど元気はなくなります。) 前述のようなことからして、カタプレス(効果を実感するには、1日200mcg以上がおすすめ。)やビソプロロールを服用すれば夢を見なくなるので睡眠中の中途覚醒を抑制できるのではないかと思ったりもしますが、これらの薬には夢を見なくする効果はあっても、中途覚醒を抑制する効果はないようでした。 交感神経抑制薬の中には中枢神経に対して独特の効果を与えるものがあるようで、「β遮断薬 感情失禁」とかでググったりすると興味深い文書が出てくるかもしれません。 カルシウム拮抗薬ドキサゾシン多量とリシノプリルで血圧が安定しているならば、カルシウム拮抗薬は不要な感じでした。カルシウム拮抗薬は血管拡張薬ではあるのですが、ドキサゾシンのような血圧の動揺を抑制する効果はあまりないようです。むしろ、何らかの理由でRAS抑制薬が使えない場合にカルシウム拮抗薬を選択するのがよいのかもしれません。 長時間作用型のカルシウム拮抗薬には心臓を休める効果もあるようで、アムロジピンが有名ですが、意外とベニジピンやジルチアゼム(徐放カプセル)がよかったりもします。ただし、カルシウム拮抗薬は歯肉肥厚の副作用が気になるところです。 ニフェジピンの一般製剤なら服用した時には容赦なく血圧が下がるのですが、前の記事で書いたとおり、作用時間が短いです。CR錠やL錠やセパミットは、あけび猫は試してみたことがありません。 動揺性高血圧あけび猫の本態性高血圧症の薬物治療の記事では度々「血圧の動揺」という言葉が出てきてますが、今回の記事から、そのように血圧が動揺するのが特徴的な高血圧症を「動揺性高血圧」と呼ぶことにしました。「動揺性高血圧」は何も特別な言葉ではなくググれば色々と出てくると思います。 一口に高血圧といってもその病態は各人で異なっていると考えられ、あけび猫の場合がそのまま他の人にも当てはまるとは限りません。 そして、あけび猫の動揺性高血圧の特徴は、何もしないと明らかに高血圧症で、RAS抑制薬やカルシウム拮抗薬を服用すると大きく血圧は低下するものの依然として血圧は不安定で、特にそれらの薬を服用している状態で安静時の拡張期血圧が、たとえば60〜100mmHg位の間で大きく変動するというものです。一方、収縮期血圧は、それらの薬を飲んでいる限り、安静時は140mmHg以下です。 前述のような事からして、これは、多分、拡張期血圧が高い時には、循環器の血管は概ね柔軟性を保ったまま、圧受容体も概ね正常で、末梢の血管平滑筋が異常に収縮しているような状態なのだと思われます。 末梢の血管平滑筋が異常に収縮している原因は不明で、もしかすると、末梢の血管そのものが細くて、血管平滑筋が少し収縮しただけでも血管抵抗が大きく変動してしまっているということも考えれるかもしれません。いづれにせよ、正常血圧の人でも末梢の血管平滑筋というは交感神経の働きにより軽度に緊張しているものらしいので、とりあえず、問題の交感神経を遮断すれば問題の症状は改善するということで、交感神経α1受容体遮断薬のドキサゾシンが効くということなのかもしれません。 では、何故、血管拡張薬のカルシウム拮抗薬にはドキサゾシンのような血圧の動揺性を抑制する効果があまりないのかというのは謎なところで、もしかすると、カルシウム拮抗薬は主に細動脈に作用すると言われるのに対して、ドキサゾシンにはそういう、細動脈に偏って効くという話は聞かないので、そういう所が関係しているのかもしれません。 ちなみに、RAS抑制薬には細静脈を拡張させるという話があるので、RAS抑制薬とカルシウム拮抗薬を組み合わせればドキサゾシンのような効果が得られるのではないかと一瞬思ってしまうのですが、あけび猫が試したところでは、何故かそのようなことはなく、謎は深まるばかりです。 もしかすると、カルシウム拮抗薬やRAS抑制薬によって一律に血管を拡張させたとしても、血管平滑筋に対するシナプスからの大幅なモノアミンの放出の変化に十分対抗することはできず、対抗するには、α1遮断薬でモノアミン自体を遮断しないといけないのかもしれません。 そういうわけで、あけび猫の「本態性高血圧症の薬物治療」の記事の方法は、本態性高血圧とされる人でも、安静時に主に収縮期血圧だけが高いようなものや、その他、あまり末梢の血管の収縮とは関係なさそうなケースではあまり効果は期待できないと思われるので注意が必要です。
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